昔のソウルの姿が残る西村(ソチョン)。狭く路地に沿って歩いていると、隠されたように佇む小さな韓屋に出会う。奥深く隠れた場所に位置するこの韓屋は、その立地から「Humijin」という名前を持つことになった。時には外部の騒音から抜け出したいとき、自分だけが知る秘密の場所で自身と向き合う時間を持ってみるのはどうだろうか。Humijinは、心と体を浄化する方法として入浴と茶道を提案する。温かいお茶を一杯添えて、流れる水の音に合わせ呼吸をする。そうやって素直に自分と向き合う時間は、今まで経験したことのない滞在になるだろう。

ㄱ字構造のHumijinは、昔の先人達が浄化の手段として組み込んだ水と石材で飾られており、空間の至るところに意味が込められている。石と緑が広がる小さな庭を過ぎて家の中に入ると、一筋の照明の下に床と繋がるように準備された低い浴槽が迎える。浴槽に合わせ製作された低いテーブルの上には「空」と「満」のための2種類のお茶が丁寧に用意されている。寝室は低い窓に光が垂れ込み、滞在者の視界に長い余韻を残す安らぎを与えてくれる。これらすべての調和は、内面を癒す役割を果たしてくれる。

Humijinは、路地に隠された秘密の空間で自分自身と向き合えるよう小さな旅程を提案する。お湯に浸かり塀の上の保護樹を眺めていると、まるで山奥の洞窟の中に入っているような気分になる。穏やかな空間に想念を置いて空っぽにし、澄んだ空気を満たす過程によって自身の心の中を覗いてみてはどうだろうか。見慣れない風景が与えてくれる風変わりな経験は、自分に没入する時間を作り出してくれる。日常に戻ったとき、ふと訪れる不安にも毅然として耐えられるよう力になりたい。

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Photo by Kihun Park (@arc_factory)